キラキラネームの定義や実態について、実は多くの人が勘違いしています。20年前と現在では、キラキラネームの主流が大きく変わっているのです。
さらに近年では、キラキラネームに代わってひらがなネームが注目を集めるなど、名づけのトレンドも大きく変化しています。
本記事では、キラキラネームの正しい定義から最新の傾向まで、子どもの名前に関する疑問を解消していきます。
- キラキラネームの定義
- 昔と今の定義の違い
- DQNネームとの違い
- キラキラネームのメリット
- キラキラネームのデメリット
- キラキラネームは時代遅れ?
- 今はひらがなネームが人気?
キラキラネームの定義とは?
キラキラネームの定義は「一般的な読み方では読めない個性的な名前」のことを指します。
具体的には、漢字本来の読み方とは異なる読み方をさせたり、外国語を当てはめたりした名前です。たとえば、「月」を「るな」、「心愛」を「ここあ」と読ませるような名前です。
キラキラネームには、次のような共通点があります。
- 初見では正しく読めない
- 辞書にない読み方をする
- 一般的な名前ではない
昔と今のキラキラネームの違い
昔のキラキラネームと比較して、現代は「響きから名前を考える」のが主流となっています。
親は理想的な響きを先に決めてから、後付けで漢字を当てはめるのです。ただ、イメージに合う漢字が見つからず、無理やり関係ない漢字を使用するケースが増えています。
たとえば、「あ」の漢字として「阿」「亜」などありますが、イメージに満足しない親が「碧(あお)」を「あ」と読むようにします。
現代のキラキラネームは昔ほど極端ではないものの、実際の利用者は多くなっているのが現状です。
昔のキラキラネームの特徴
約20年前に話題となったキラキラネームは、非常に極端で独特な名前が多く見られました。
本当にあるのか疑われるほど珍しく、まるで創作ネタのような印象です。代表的な例として、以下のような名前があります。
- 光宙(ぴかちゅう)
- 今鹿(なうしか)
- 男(あだむ)
今のキラキラネームの特徴
現在のキラキラネームは、より巧妙で一見普通に見える名前が主流となっています。
本来の漢字の読み方から一部分だけを切り取って使用するパターンが多いです。代表的な例として、以下のような漢字の使い方があります。
具体例を挙げると、
- 春(は)← 本来は「はる」
- 姫(ひ)← 本来は「ひめ」
- 夢(ゆ)← 本来は「ゆめ」
キラキラネームとDQNネームの違い
キラキラネームとDQNネームでは、社会からの受け止め方に大きな違いがあります。
キラキラネームは「個性的」「珍しい名前」など、中立的な反応を受けることが多いです。一方、DQNネームは「読めない」「かわいそう」など、批判的な反応をされる傾向があります。
DQNネームはインターネット上で生まれた俗語であり、キラキラネームよりも批判的なニュアンスが強い言葉です。
そもそも「DQN」という言葉は、非常識な行動を取る人を指すネットスラングとして広まりました。
そのため、DQNネームは単に読みにくい名前というだけでなく、「非常識な親が付けた名前」という批判的な意味合いが含まれています。
DQNネームの特徴として、一般的には読めない当て字が使われ、名前として適切でないと判断される名前です。さらに、将来お子さんが社会生活を送る上で悪影響があると懸念される名前も含まれます。
DQNネームはキラキラネームよりも批判的なニュアンスのある言葉なのです。
キラキラネームのメリット
キラキラネームにはメリットもあります。ただし、将来にわたってずっと良い影響なのかどうかは別です。
記憶に残りやすい
キラキラネームは独特な読み方のため、一度知ってもらえば、長い期間印象に残りやすいです。
特に芸能界やクリエイティブな業界では、キラキラネームがプラスに働くケースもあります。同姓同名の人と間違われる心配もほとんどありません。
ただし、間違った読み方で覚えられてしまう可能性もあることは理解しておきましょう。
親の愛情を感じられる
多くのキラキラネームには、親が子どもへの深い愛情や将来への願いを込めているため、愛されている実感があります。
「元気に育ってほしい」「世界で活躍してほしい」といった想いが名前に反映されているケースが多いです。
名前に込められた親の想いは、子どもにとって大きな支えとなることもあるのです。
国際的に使いやすい
外国語の読み方を取り入れたキラキラネームは、グローバルな時代でも適応しやすいです。
「月(るな)」や「空(すかい)」などの名前は、海外でも発音しやすく、外国で活動する際にメリットとなります。
ただし、日本国内では読み方に困る人が多いということも忘れてはいけません。
キラキラネームのデメリット
キラキラネームのデメリットは、メリットよりも大きいです。日常生活から将来への影響まで、様々な問題が指摘されています。
読み&書き間違いしやすい
キラキラネームの大きなデメリットは、正しく読んでもらえなかったり、正しく書いてもらえなかったりすることです。
病院の受付や学校の先生、役所の職員など、初対面の人に名前を説明する機会が多くなります。電話での名前確認も手間がかかり、漢字を一文字ずつ説明しないといけません。
特に「楓(か)」や「希(の)」など、本来の読み方とは異なるため、正しい読み方を知っている人ほど間違えやすいです。
就職活動で不利になる
一部の企業では、キラキラネームの応募者に対して、偏見を持つ採用担当者がいます。
履歴書の段階で、「常識がない親に育てられた」「協調性に欠ける可能性がある」などの先入観を持たれるリスクがあるのです。
もちろん、差別的行為として問題視されるべきことですが、現実として実際にある問題ということは認識しておく必要があります。
子どもにとってストレスになる
名前について繰り返し説明したり訂正したりすることは、子ども本人にとって大きなストレスになります。学校では、以下のような問題が起こりがちです。
- 出席確認に時間がかかる
- 先生に名前を間違えて呼ばれる
- 友達に読み方を教える手間がかかる
特に思春期になると、目立つことを嫌がる子どもも多くなります。名前が原因でからかわれたり、注目されることがストレスになるケースも報告されています。
社会人になって悪影響になる
可愛らしい名前が、大人になった時に悪影響を及ぼす可能性があります。ビジネスシーンでは、以下のような問題が起こりがちです。
- 初対面で正しく読んでもらえない
- 会議で名前を呼び間違えられる
- メールの宛名を間違えられる
年齢を重ねるにつれて、名前と実年齢との間にギャップが生まれる可能性があります。管理職や責任ある立場に就いた時に、名前が幼い印象を与えてしまうリスクも考慮すべきです。
キラキラネームはもう時代遅れ?
キラキラネームは徐々に時代遅れになりつつあるのが現状です。社会の変化により、多くの親が慎重に子どもの名前を考えるようになっています。
近年は、キラキラネームによる日常的な不便さやトラブルが広く知られるようになりました。メディアでも、キラキラネームのリスクについて頻繁に取り上げられています。
特に、就職活動や学校生活でのストレスが問題視されています。そのため、親世代の意識が大きく変わってきているのです。
最近の名づけトレンドでは、「読みやすく書きやすい名前」を重視する親が増えています。
個性を大切にしながらも、子どもが将来困らない実用的な名前を選ぶ傾向が強いです。複雑な読み方の漢字は避けて、一度見ただけで正しく読める名前の人気が高まっています。
今はひらがなネームのほうが人気?
ひらがなネームは人気が高まっていて、キラキラネームの変わりとして注目されています。読みやすさと個性のバランスが取れた名前として、多くの親世代に評価されているのです。
ひらがなネームの魅力
ひらがなネームの最も大きなメリットは、読み間違いが全く起こらないことです。「さくら」「ひなた」「あおい」など、誰が見ても正しく読むことができます。
書きやすいという実用的なメリットも、ひらがなネームの大きな特徴です。複雑な漢字を覚える必要がなく、小さな子どもでも自分の名前を簡単に書けます。
電話で名前を伝える際も、「ひらがなで〇〇です」と説明すれば、1回で確実に伝わります。学校や病院など、あらゆる場面で名前を間違えられる心配がないのは、大きな安心材料になるはずです。
さらに、優しく親しみやすい印象を与える特徴もあります。親の愛情を込めながらも、子どもが将来困ることのない実用的な名前として、多くの家庭で選ばれているのがひらがなネームなのです。
ひらがなネームが受け入れられる理由
著名人の活躍が、ひらがなネームの人気を後押ししている理由です。
芸能人やスポーツ選手にもひらがなネームの人が多いため、一般的にも受け入れられやすくなっています。
特に女優やアイドル、アナウンサーなどにひらがなネームの人が多いことで、ポジティブなイメージが定着しています。
人気のひらがなネーム例
現在、人気の高いひらがなネームは以下です。
女の子のひらがなネーム
- さくら(優しい印象)
- ひなた(明るい印象)
- あおい(清楚な印象)
男の子のひらがなネーム
- そうた(力強い印象)
- はると(元気な印象)
- りく(現代的な印象)
【まとめ】キラキラネームの定義
キラキラネームの定義は「一般的な読み方では読めない個性的な名前」ですが、時代とともに言葉の意味は大きく変化してきました。
昔は極端におかしい名前でしたが、現在はキラキラネームなのかどうか見分けにくくなっています。
キラキラネームにするメリットもありますが、日常生活での不便さや将来への影響を考えると、デメリットの方が圧倒的に多いです。
そのため、最近では読みやすさと個性のバランスが取れたひらがなネームに人気が集まっています。
名前は一生使うものだからこそ、流行に惑わされることなく、子どもが誇りを持って使い続けられる名前にすることが大切です。