最近、「ハンドルネーム」という言葉が死語と言われることが増えています。本当に過去の言葉になってしまったのか。
この記事では、ハンドルネームの定義から、現在までの背景を詳しく解説します。
- ハンドルネームは死語?
- ハンドルネームの言い換え
- ハンドルネームの意味
- ハンドルネームの略称
- ハンドルネームの由来
ハンドルネームは死語?

ハンドルネームは死語ではありませんが、以前と比べると使用頻度は大幅に減っています。
2000年代初頭まで、ネット上での仮名といえばハンドルネームが定番でした。しかし現在では、若い世代を中心に「ハンドルネーム」という言葉を知らない人も増えています。
2010年代以降、急激に減少した大きな要因は、SNSの普及により、実名での活動が主流になったことです。Facebookでは本名での登録が推奨されています。
また、匿名文化そのものが変化していることも影響しています。昔のように同じハンドルネームを使い続ける文化から、アカウントを使い分ける文化へと変わったのです。
学生時代からスマホでSNSを利用している若い世代には、ハンドルネームは馴染みのない概念になっています。
ただ、オンラインゲームや匿名掲示板の2ちゃんねる系コミュニティでは、古参ユーザーを中心に今でもハンドルネームという表現が使われています。
ハンドルネームの言い換え|今の言い方とは?

現在では「ハンドルネーム」より「ユーザーネーム」「ニックネーム」「表示名」などの表現のほうが主流となっています。
プラットフォームや世代によっても呼び方に違いがあるため、ここで理解しておきましょう。
ユーザーネーム
現代の最も一般的な呼び方が「ユーザーネーム」です。
XやInstagramなどのSNSでは、@マークの後に続く文字列をユーザーネームと呼んでいます。ハンドルネームと本質的には同じです。
英語圏での「username」をそのまま日本語化した表現として定着しました。
ニックネーム
カジュアルな場面では「ニックネーム」という表現も多く使われています。
ゲームやコミュニティ内での呼び名として使われることが多いです。ハンドルネームよりも親しみやすく、どの世代にも理解しやすい言葉といえます。
特にスマホアプリでは、設定画面で「ニックネーム」という項目名をよく見かけると思います。
表示名・プロフィール名
SNSの普及により「表示名」や「プロフィール名」という呼び方も登場しました。
実名とは別に設定できる公開用の名前として、多くのプラットフォームで使われています。ユーザーネームとは別に、表示名(プロフィール名)を設定できるSNSも多いです。
ハンドルネームの新しい呼び方は、実名文化とネット文化を両立させる解決策といえます。
ハンドルネームの意味とは?

ハンドルネームとは、インターネット上で本名の代わりに使用する仮名のことです。
1990年代後半から2000年代前半にかけて、インターネット黎明期に広く使われていた用語です。当時のネットユーザーにとって、ハンドルネームは自分の個性を表現する手段でした。
ハンドルネームを使う最大の目的は、匿名性を保つこと。本名を明かさず、プライバシーを守りながらネットを楽しむことが可能です。
固定ハンドルネームとハンドルネームの違いは?
固定ハンドルネームとは、常に同じ名前を使い続けるハンドルネームのことです。略して「コテハン」とも呼ばれています。
通常のハンドルネームは、場所や状況によって自由に変更できます。一方、固定ハンドルネームは一貫して同じ名前を使用するのが特徴です。掲示板文化が盛んだった時代、コテハンを使う人は個人を特定されやすい存在でした。
匿名掲示板では「名無しさん」のような共通名が一般的です。そんな中でコテハンを使うと、発言の一貫性が生まれます。信頼を築きやすい反面、批判を受けやすいデメリットもありました。
現代のSNSでは、アカウント名が事実上の固定ハンドルネームとなっています。そのため、コテハンという言葉もハンドルネーム同様、死語になりつつあるのが現状です。
ニックネームとハンドルネームの違いは?
ニックネームは日常生活で使われる愛称で、ハンドルネームはネット専用の呼び名という違いがあります。
ニックネームは友人や家族から付けられることが多いです。本名をもじったものや、外見・性格に由来するケースがほとんどで、対面でのコミュニケーションを前提としています。
ハンドルネームは自分で決めるのが基本です。本名との関連性がなくても問題ありません。むしろ、本名を連想させない名前を選ぶ人が多い傾向にあります。
ただし、最近はネット上でもニックネームという表現を使う場面が増えました。オンラインとオフラインの境界が曖昧になった今、両者の区別も薄れつつあります。
ペンネームとハンドルネームの違いは?
ペンネームには長い歴史があり、出版業界で正式に認められた名前です。印税の受け取りや契約にも使用される、社会的に認知された仮名といえます。
ハンドルネームはあくまでネット上の呼び名にすぎません。法的な効力はなく、いつでも変更可能な気軽さがあります。しかし近年、ハンドルネームをそのままペンネームとして使うケースも増えています。
ネット発の作家やクリエイターが増えた現代では、両者の境界線は曖昧になりました。ハンドルネームという言葉は死語に近づいていますが、その概念は形を変えて生き続けているのです。
プレイヤーネームとハンドルネームの違いは?
プレイヤーネームはゲーム内で使う名前で、ハンドルネームはネット全般で使う名前を指します。
プレイヤーネームは特定のゲームに紐づいた呼び名です。ゲームごとに異なる名前を使う人も少なくありません。eスポーツの普及により、プレイヤーネームという言葉は若い世代にも浸透しています。
ハンドルネームは掲示板やチャットなど、より広いネット空間で使われてきました。ところが現在、ゲーマーの間ではプレイヤーネームという表現が主流です。
ハンドルネームの略称

ハンドルネームの略称として「HN」と「ハンネ」が広く使われています。
インターネット黎明期から2000年代にかけて、ハンドルネームという長い表現を短くした呼び方が定着していました。現在では、「HN」と「ハンネ」も死語になりつつあります。
HN
「HN」は「Handle Name」の頭文字を取った英語由来の略語です。
主に、文字数制限のある場で使われていた表記方法になります。掲示板のプロフィール欄や自己紹介でよく見かけました。
「HN:なまえねむ」「HNおしえて」のような使い方が一般的です。当時のネット初期時代では、非常に親しまれていました。
しかし、現在の若い世代には全く馴染みのない略語となっています。SNSが主流となった現代では、「HN」を見かけることはほとんどありません。
ハンネ
「ハンネ」はハンドルネームを短くした親しみやすい略称です。
「ハンドル」を「ハン」に、「ネーム」を「ネ」に短縮しています。HNよりもカジュアルで、日本人にとって発音しやすい略語として人気です。
「ハンネは?」「ハンネおしえて」など、日常会話でよく使われていました。特に、当時の10代から20代の若いネットユーザーの間で使われていた言葉です。
ただし、ハンネという略称も、現在では死語同然の扱いになっています。
ハンドルネームの由来

ハンドルネームの語源は、アマチュア無線にあります。
アマチュア無線で通信相手を識別するために使用していた固有符号「コールサイン」を、無線用語で「ハンドル」と呼んでいました。
無線機を「操作する」という意味から、「ハンドル(操る)」する人を表す言葉として定着したのです。
1980年代のパソコン通信時代に、無線用語がデジタル通信に応用されます。当時のパソコン通信利用者の多くがアマチュア無線の経験者だったことも、「ハンドルネーム」の普及に大きく影響しました。
インターネットが普及し始めた1990年代後半、パソコン通信で使われていた「ハンドル」という概念が引き継がれました。
しかし、より一般的でわかりやすい表現として「ハンドルネーム」という用語が生まれたのです。
【まとめ】ハンドルネームは死語かどうか

ハンドルネームは死語ではありませんが、使用頻度は極端に少なくなっているのが現状です。今ではSNSの普及により、「ユーザーネーム」「ニックネーム」のような表現に置き換わりました。
しかし、オンラインゲームや一部のコミュニティでは今でも使われています。「HN」「ハンネ」のような略称も同様です。
言葉は時代とともに変化するものですが、「ネット上で自分らしい名前を使いたい」という想いは今も昔も変わりません。
ハンドルネームという表現自体が古くなっても、その精神は現代社会にしっかりと受け継がれています。





