日本では法律で、名前に使える漢字が厳格に決められています。せっかく考えた名前が、出生届で「この漢字は使えません」と言われてしまうケースも少なくありません。
この記事では、名前に使えない漢字の具体例から確認方法、使えなかった場合の対処法まで、名付けに必要な情報を全て網羅しました。出生届を提出する前に、ぜひ最後までお読みください。
- 名前に使えない漢字がある?
- 名前に使えない漢字一覧
- 使える漢字かどうか調べる方法
- どうしても使いたい場合の対処法
- 名前に使えない漢字に関するQ&A
名前に使えない漢字がある?

日本では法律で名前に使える漢字が決められており、使えない漢字もあります。戸籍法という法律で、厳格に定められているのです。
出生届を提出する際、使えない漢字が含まれていると受理されません。自分の考えた名前が付けられるように、事前にしっかり確認しておきましょう。
名前に使える漢字の種類
名前に使える漢字は、常用漢字と人名用漢字の2種類です。
常用漢字は日常生活で使われる2,136字、人名用漢字は名前専用に認められた863字を指します。合計すると、約3,000字です。
法律で制限される理由
戸籍法で漢字を制限する大きな理由は、子どもの人権を守るためです。否定的な意味の漢字を名前に使うと、本人がいじめられたり、つらい思いをしたりする可能性があります。
また、社会生活をスムーズに送るためというのも、1つの理由です。読めない漢字や書けない漢字では、学校や職場で困ることが増えてしまいます。
名前に使えない漢字一覧

以下の表に、戸籍法で禁止されている代表的な漢字をまとめました。
ただし、常用漢字として使える漢字も一部含まれています。あくまで、一般的に名前に使われづらい漢字・使えない可能性が高い漢字の例として、参考にしてください。
意味が不適切な漢字
以下の表は、意味や印象が名前にふさわしくないとされる漢字です。医学用語や否定的な意味を持つため、名前には使えません。
| 漢字 | 読み方 | 禁止されている理由 |
| 癌 | がん | 病気を表す漢字なので、名前に使うとよくない印象を与えます |
| 屍 | しかばね | 死体を意味するため、縁起が悪く名前にふさわしくありません |
| 呪 | のろう | 人を苦しめる意味があり、子どもの幸せを願う名前には適していません |
| 糞 | くそ | 汚いものを表すため、名前に使うと子どもがいじめられる可能性があります |
| 賤 | いやしい | 人を見下す意味があり、差別的な印象を与えてしまいます |
| 姦 | かん | 犯罪を連想させる漢字で、社会的に好ましくない意味を持っています |
| 淫 | いん | 品のない行いを表すため、名前には使えない決まりになっています |
| 殺 | ころす | 命を奪う行為を表すので、絶対に名前に使ってはいけません |
| 賊 | ぞく | 悪いことをする人を意味するため、名前にふさわしくありません |
| 盗 | ぬすむ | 犯罪行為を表す漢字なので、子どもの将来に悪い影響があります |
| 妓 | ぎ | 特定の職業を表す漢字で、現代では使わない方がよいとされています |
| 娼 | しょう | 風俗に関わる職業を連想させるため、名前には適していません |
| 賭 | かける | ギャンブルを意味する漢字で、健全な印象を与えられません |
| 膿 | うみ | 体の悪い部分を表すため、縁起がよくありません |
| 腫 | はれる | 病気の症状を表す漢字なので、名前には使えません |
| 痔 | じ | 病気の名前を表すため、子どもがつらい思いをする可能性があります |
| 痰 | たん | 病気の症状を表すため、健康的なイメージではありません |
| 疣 | いぼ | 皮膚の病気を意味するので、名前には向いていません |
| 瘤 | こぶ | 体にできるできものを表すため、よい印象がありません |
| 皺 | しわ | 老化を連想させる漢字なので、赤ちゃんの名前には合いません |
| 尻 | しり | 体の部位を表す漢字で、名前に使うと恥ずかしい思いをします |
| 糟 | かす | 価値のないものを意味するため、名前にふさわしくありません |
| 汚 | きたない | 不潔なイメージがあるため、名前には使えません |
| 臭 | くさい | 悪いにおいを表すので、名前に使うのは適切ではありません |
| 腐 | くさる | 物が悪くなることを意味するため、縁起が悪いです |
| 醜 | みにくい | 見た目が悪いことを表すため、子どもを傷つける可能性があります |
| 愚 | おろか | 頭が悪いことを意味するため、名前には使えません |
| 惰 | おこたる | 怠けることを表すため、よい印象を与えられません |
| 怠 | おこたる | サボることを意味するので、名前にふさわしくありません |
| 僻 | ひがむ | ねじけた性格を表すため、名前には適していません |
読み方が難しい漢字
読み方が難しすぎる漢字も使用できません。画数が多く、一般的ではない漢字です。
| 漢字 | 読み方 | 禁止されている理由 |
| 曦 | あさひ | 画数が多く難しい漢字で、人名用漢字に含まれていません |
| 燁 | かがやく | 一般的ではない漢字のため、読み書きが難しくなります |
| 麒 | き | 画数が多く複雑なため、人名用漢字に指定されていません |
| 璽 | じ | 天皇の印を意味する特別な漢字で、画数も多く難しいです |
| 驍 | たける | 画数が多く読みにくいため、人名用漢字に指定されていません |
| 纓 | えい | 画数が多く一般的でないため、使うことができません |
| 霹 | へき | 雷を表す難しい漢字で、日常的に使われません |
| 靂 | れき | 画数が多く読み方が難しいため、名前には使えません |
| 鑿 | のみ | 工具を表す漢字で、画数が非常に多く難解です |
| 鬱 | うつ | 常用漢字ですが、画数が多く書くのが困難です(※実際は常用漢字) |
| 贅 | ぜい | 画数が多く複雑なため、読み書きが難しくなります |
| 顰 | ひそめる | 画数が多く一般的でないため、使うことができません |
| 攣 | ひきつる | 医学用語で画数も多く、日常的には使われません |
| 孃 | むすめ | 「娘」の旧字体で画数が多く、読み書きが困難です |
| 嬢 | じょう | 常用漢字ですが旧字体は使えません(※「嬢」は常用漢字) |
| 囃 | はやす | 画数が多く難しい漢字で、読み方も一般的ではありません |
| 囁 | ささやく | 画数が多く複雑なため、人名用漢字に含まれていません |
| 嚠 | りゅう | 非常に画数が多く、ほとんど使われない漢字です |
| 嚥 | えん | 医学用語として使われる難しい漢字です |
| 嬲 | なぶる | 画数が多く意味も好ましくないため、使えません |
| �巫 | かんなぎ | 「巫」は人名用漢字ですが、この字は別の漢字です |
| 齟 | そ | 画数が多く一般的でないため、読み書きが困難です |
| 齬 | ご | 画数が多く複雑なため、日常的に使われません |
| 顴 | かん | 顔の部位を表す難しい漢字で、画数も多いです |
| 鼾 | いびき | 画数が多く読み方も難しいため、使えません |
| 鬢 | びん | 髪の部分を表す難しい漢字で、画数も多いです |
| 鬚 | ひげ | 画数が多く複雑なため、読み書きが困難です |
| 髏 | ろ | 「髑髏(どくろ)」という言葉で使われる難しい漢字です |
| 髑 | どく | 「髑髏」という死を連想させる言葉に使われます |
| 鱗 | うろこ | 画数が多く書くのが難しいため、使えません |
動物や昆虫を表す漢字
動物名でも人名用漢字にない漢字は使えません。虫偏の漢字の中には人名用漢字もありますが、以下の漢字は含まれていません。
| 漢字 | 読み方 | 禁止されている理由 |
| 蟲 | むし | 虫の旧字体ですが、人名用漢字に含まれていないため使えません |
| 蠅 | はえ | 不衛生な虫を表すため、名前にはふさわしくありません |
| 蚊 | か | 人を刺す虫を意味するので、よい印象を与えられません |
| 蝿 | はえ | 病気を運ぶ虫を連想させるため、名前には使えません |
| 蠍 | さそり | 毒を持つ生き物を表すので、危険なイメージがあります |
| 蝙 | へん | 「蝙蝠(こうもり)」に使われる漢字で、人名には向きません |
| 蝠 | ふく | 「蝙蝠」という夜行性の動物を連想させます |
| 蛆 | うじ | 不衛生な虫を表すため、絶対に名前に使えません |
| 蚤 | のみ | 人や動物に寄生する虫なので、名前には適していません |
| 蛭 | ひる | 血を吸う生き物を表すため、縁起がよくありません |
| 蚓 | いん | ミミズを表す漢字で、名前にはふさわしくありません |
| 蛞 | かつ | 「蛞蝓(なめくじ)」に使われる漢字で、不快な印象があります |
| 蝓 | ゆ | 「蛞蝓」を表す漢字で、名前には向きません |
| 蠢 | うごめく | 虫が動く様子を表し、あまりよい印象ではありません |
| 蝗 | こう | イナゴを表す漢字で、害虫のイメージがあります |
| 蚋 | ぶよ | 人を刺す小さな虫を表すため、名前には使えません |
| 蜈 | ご | 「蜈蚣(むかで)」に使われる漢字で、毒虫を連想させます |
| 蚣 | こう | 「蜈蚣」を表す漢字で、危険なイメージがあります |
| 蠱 | こ | 毒虫や呪いを意味する漢字で、不吉な印象があります |
| 蛸 | たこ | 海の生き物ですが、人名用漢字には含まれていません |
| 鼈 | すっぽん | 亀の一種を表す漢字で、画数も多く使えません |
| 鰐 | わに | 危険な動物を表すため、名前にはふさわしくありません |
| 鱷 | がく | ワニを表す別の漢字で、画数も多く難しいです |
| 鱶 | ふか | サメを表す漢字で、危険なイメージがあります |
| 鱧 | はも | 魚の名前ですが、人名用漢字には含まれていません |
| 鰻 | うなぎ | 魚の名前を表す漢字で、名前には向きません |
| 鰯 | いわし | 魚の名前で、弱々しいイメージもあります |
| 鯰 | なまず | 魚の名前を表すため、人名には適していません |
| 鮪 | まぐろ | 魚の名前ですが、人名用漢字には含まれていません |
| 鯨 | くじら | 大きな海の生き物ですが、名前には使えません |
身体の部位を表す漢字
一部の身体部位を表す漢字も使用できません。医学的な表現や否定的な印象を与える漢字は、一般的に避けられています。
| 漢字 | 読み方 | 禁止されている理由 |
| 尻 | しり | 体の部位を表す漢字で、名前に使うと恥ずかしい思いをします |
| 糞 | ふん | 排泄物を表すため、絶対に名前に使ってはいけません |
| 痰 | たん | 病気の症状を表すため、健康的なイメージではありません |
| 疣 | いぼ | 皮膚の病気を意味するので、名前には向いていません |
| 瘤 | こぶ | 体にできるできものを表すため、よい印象がありません |
| 皺 | しわ | 老化を連想させる漢字なので、赤ちゃんの名前には合いません |
| 痔 | じ | 病気の名前を表すため、子どもがつらい思いをする可能性があります |
| 膿 | うみ | 体の悪い部分を表すため、縁起がよくありません |
| 腫 | はれる | 病気の症状を表す漢字なので、名前には使えません |
| 瘡 | かさ | 皮膚の病気を表すため、名前にはふさわしくありません |
| 疱 | ほう | 皮膚にできるものを表すため、よい印象ではありません |
| 痣 | あざ | 皮膚の変色を表すため、名前には適していません |
| 癬 | せん | 皮膚病を表す漢字で、名前には使えません |
| 瘻 | ろう | 病気の症状を表すため、縁起がよくありません |
| 瘤 | りゅう | 体にできる異常を表すため、名前には向きません |
| 臀 | でん | お尻を表す漢字で、名前には使わない方がよいです |
| 臍 | へそ | 体の部位を表すため、名前にはふさわしくありません |
| 脛 | すね | 足の部位を表す漢字で、名前には適していません |
| 踵 | かかと | 足の部分を表すため、名前には向きません |
| 腋 | わき | 体の部位を表す漢字で、名前には使えません |
| 臑 | すね | 足の部分を表すため、名前にはふさわしくありません |
| 腸 | ちょう | 内臓を表す漢字で、名前には適していません(※「腸」は常用漢字) |
| 肛 | こう | 体の部位を表す漢字で、名前には絶対に使えません |
| 陰 | いん | 体の部位を連想させるため、名前には向きません(※「陰」は常用漢字) |
| 尿 | にょう | 排泄物を表すため、名前には使ってはいけません |
| 屁 | へ | 体から出るガスを表すため、名前には絶対に使えません |
| 嘔 | おう | 吐くことを表すため、名前にはふさわしくありません |
| 嚥 | えん | 飲み込む動作を表す医学用語で、難しい漢字です |
| 嗽 | そう | うがいを表す漢字で、日常的には使われません |
| 痙 | けい | 筋肉の異常を表す医学用語で、名前には使えません |
暴力を連想させる漢字
社会的に好ましくない意味を持つ漢字も禁止です。以下の漢字は、犯罪や風俗を連想させるため使えません。
| 漢字 | 読み方 | 禁止されている理由 |
| 殺 | ころす | 命を奪う行為を表すので、絶対に名前に使ってはいけません |
| 賊 | ぞく | 悪いことをする人を意味するため、名前にふさわしくありません |
| 盗 | ぬすむ | 犯罪行為を表す漢字なので、子どもの将来に悪い影響があります |
| 賭 | かける | ギャンブルを意味する漢字で、健全な印象を与えられません |
| 姦 | かん | 犯罪を連想させる漢字で、社会的に好ましくない意味を持っています |
| 淫 | いん | 品のない行いを表すため、名前には使えない決まりになっています |
| 妓 | ぎ | 特定の職業を表す漢字で、現代では使わない方がよいとされています |
| 娼 | しょう | 風俗に関わる職業を連想させるため、名前には適していません |
| 奸 | かん | 悪いことを企むことを表すため、名前には使えません |
| 匪 | ひ | 盗賊を意味する漢字で、犯罪を連想させます |
| 寇 | こう | 敵や盗賊を表すため、名前にはふさわしくありません |
| 掠 | りゃく | 奪うことを意味するため、よい印象を与えられません |
| 略 | りゃく | 奪い取ることも意味するため、注意が必要です(※「略」は常用漢字) |
| 拐 | かい | 誘拐を連想させる漢字で、犯罪のイメージがあります |
| 誘 | ゆう | 人をだますことも意味するため、慎重になります(※「誘」は常用漢字) |
| 詐 | さ | だますことを表す漢字で、犯罪を連想させます |
| 欺 | ぎ | 人をだますことを意味するため、名前には向きません |
| 騙 | だます | だます行為を表すため、名前には使えません |
| 脅 | おどす | 人を怖がらせることを表すため、名前にはふさわしくありません |
| 恐 | おそれる | 恐怖を与えることも意味します(※「恐」は常用漢字) |
| 嚇 | かく | 脅すことを表す漢字で、暴力的なイメージがあります |
| 暴 | ぼう | 乱暴なことを表すため、注意が必要です(※「暴」は常用漢字) |
| 虐 | ぎゃく | いじめることを表すため、名前には使えません |
| 凌 | りょう | 人を傷つける意味もあります(※「凌」は人名用漢字) |
| 辱 | じょく | 恥をかかせることを表すため、名前には向きません |
| 侮 | ぶ | 人を馬鹿にすることを表すため、名前には使えません |
| 蔑 | べつ | 人を見下すことを表すため、差別的な印象があります |
| 搾 | さく | 搾り取ることを意味するため、よい印象ではありません |
| 詛 | そ | 呪うことを表す漢字で、不吉なイメージがあります |
| 咒 | じゅ | 呪うことを意味するため、名前には絶対に使えません |
宗教に関わる漢字
特定の宗教観や迷信に関連する漢字も制限されています。ただし、「梵」「曼」などは人名用漢字に含まれているため、使用できる可能性も高いです。
| 漢字 | 読み方 | 禁止されている理由 |
| 卍 | まんじ | 宗教的なシンボルのため、名前には使えません |
| 呪 | のろう | 呪術を連想させるため、名前にはふさわしくありません |
| 咒 | じゅ | 呪いを表す漢字で、不吉なイメージがあります |
| 詛 | そ | 呪うことを意味するため、名前には使えません |
| 祟 | たたり | 神仏の怒りを表すため、縁起がよくありません |
| 鬼 | おに | 怖い存在を表すため、名前には向きません(※「鬼」は常用漢字) |
| 魔 | ま | 悪い力を表すため、注意が必要です(※「魔」は常用漢字) |
| 妖 | よう | 怪しいものを表すため、名前にはふさわしくありません |
| 怪 | かい | 不思議で怖いものを表します(※「怪」は常用漢字) |
| 幽 | ゆう | 幽霊を連想させることがあります(※「幽」は常用漢字) |
| 冥 | めい | あの世を表すため、縁起がよくありません |
| 冤 | えん | 恨みを表す漢字で、不吉なイメージがあります |
| 祟 | すう | 神の怒りを表すため、名前には使えません |
| 禍 | か | 災いを意味するため、縁起がよくありません |
| 殃 | おう | 災難を表す漢字で、不吉な印象があります |
| 厄 | やく | 悪いことを表すため、名前には向きません |
| 凶 | きょう | 悪いことを意味するため、縁起がよくありません |
| 兇 | きょう | 凶悪なことを表すため、名前には使えません |
| 惨 | さん | ひどいことを表すため、名前にはふさわしくありません |
| 慘 | さん | 「惨」の旧字体で、悲しいことを意味します |
| 悍 | かん | 乱暴なことを表すため、名前には向きません |
| 禍 | わざわい | 災いを表す漢字で、縁起がよくありません |
| 殺 | さつ | 命を奪うことを表すため、絶対に使えません |
| 亡 | ぼう | 死を連想させるため、名前には使えません |
| 滅 | めつ | 滅びることを表すため、縁起がよくありません |
| 崩 | ほう | 崩れることを意味するため、名前には向きません |
| 壊 | かい | 壊れることを表すため、よい印象ではありません(※「壊」は常用漢字) |
| 破 | は | 破壊を連想させることがあります(※「破」は常用漢字) |
| 裂 | れつ | 裂けることを表すため、名前には適していません |
| 斬 | ざん | 切ることを表す暴力的な漢字です |
名前に使える漢字かどうか調べる方法

名前に使える漢字かどうか調べるためには、法務省の公式サイトで「人名用漢字表」を確認するのが最も確実です。ここでは、具体的な確認方法を紹介します。
法務省の人名用漢字表を確認する
最も信頼できるのは、法務省の公式サイトです。
「人名用漢字表」というファイルが公開されていて、無料でダウンロードできます。人名用漢字表には、常用漢字2,136字と人名用漢字863字が全て掲載されています。
音読み・訓読みも記載されているため、読み方の確認にも便利です。スマートフォンからでもアクセスできるため、名前を考えながら随時チェックできます。
市区町村の窓口で相談する
市区町村の窓口へ実際に足を運んで、確認する方法もあります。
お住まいの市区町村の戸籍課に行けば、職員さんが直接教えてくれるのです。「この漢字は使えますか?」と尋ねれば、その場で調べてもらえます。
電話での問い合わせにも対応してくれる自治体が多いです。ただし、混雑時は時間がかかることもあるため、余裕を持って確認しましょう。
オンラインツールを活用する
名前に使える漢字を調べることができる便利なWebサービスもあります。
漢字を入力するだけで、名前に使えるかどうか判定してくれるサイトがあるのです。ただし、どれも公式ではないため、最終的には法務省の情報で再確認してください。
あくまで参考程度に利用し、正式な確認は公式サイトか窓口で行うことをおすすめします。
例:良運命名
名前に使えない漢字を使いたい場合の対処法

使用禁止の漢字を名前に使う方法はありません。しかし、代替案で対処することは可能です。現実的な対処法をいくつか紹介しますので、参考にしてください。
似た意味の漢字に変更する
最も現実的なのは、似た漢字を探すことです。
たとえば「翔」が使えない場合、「飛」や「羽」など、空を飛ぶイメージの漢字で代用できます。元々名前に込めたかった意味を大切にしながら、使える漢字の中から選びましょう。
漢字辞典やネットで類義語を調べると、意外な発見があるかもしれません。最初に考えていた漢字よりも、気に入る漢字が見つかることもあります。
読み方を変えて別の漢字を当てる
同じ読み方でも、違う漢字があります。
「あきら」という読み方なら、「明」「晃」「亮」「彰」など、複数の選択肢があります。希望の漢字が使えなくても、同じ音で別の漢字を探してみましょう。
音の響きにこだわっている場合は有効です。漢字は変わっても、呼ばれたときの印象は変わりません。
ひらがな・カタカナで表記する
漢字にこだわらない選択肢もあります。
ひらがなやカタカナなら、使える文字に制限がほとんどありません。柔らかい印象を与えられるメリットもあります。
「さくら」「ひまり」など、ひらがなの名前は近年人気が上昇中です。カタカナも「リン」「レイ」など、おしゃれな印象を与えられます。
あだ名として使う
戸籍上の名前とは別に、通称として使うこともできます。
法律上の名前には使えない漢字でも、日常生活で使う愛称やニックネームには制限がありません。親しい人からは、希望の漢字で呼んでもらうことも可能です。
ただし、公的書類や正式な場面では戸籍上の名前を使う必要があるため、注意してください。
最終手段(おすすめしない)
あまりおすすめしませんが、どうしても使いたい漢字がある場合は、法改正を待つという方法もあります。
人名用漢字は時代に合わせて追加されてきました。過去には使えなかった漢字が、現在は使えるようになった例もあります。
ただし、法改正には時間がかかる上、確実に追加される保証もありません。現実的には、今使える漢字の中から選ぶことをおすすめします。
名前に使えない漢字に関してよくある質問

名前に使えない漢字について、よくある質問にお答えします。事前にしっかり確認して、安心して名付け作業を進めましょう。
名前に使える表記ルールとは?
名前に使えるのは、常用漢字・人名用漢字・ひらがな・カタカナ・一部の記号のみです。
新聞や教科書で使われる常用漢字が2,136字、名前専用に認められた人名用漢字が863字の合計2,999字になります。ひらがなとカタカナは、全て使用可能です。
記号は「ー(長音記号)」と「々(繰り返し記号)」のみ使用できます。「・(中点)」も一部認められますが、外国人名などの特殊なケースに限られます。
日本の戸籍では、英語や数字を名前に使うことはできません。どうしても英語風にしたい場合は、カタカナで表記しましょう。
海外で生活する予定がある場合でも、日本の戸籍上の名前は日本のルールに従う必要があります。
人名用漢字と常用漢字の違いとは?
常用漢字は日常生活で使う漢字、人名用漢字は名前専用に認められた漢字です。
「愛」「幸」「翔」など、新聞や雑誌などで使われる基本的な漢字が、常用漢字です。誰もが読める馴染みのあるものが多く含まれています。
「雫」「苺」「椛」など、名前でよく使われるけれど常用漢字には含まれていない漢字が、人名用漢字です。昭和56年に制定されて以来、時代に合わせて追加されてきました。
人名用漢字は名前にしか使えませんが、美しい漢字や個性的な漢字が多く含まれています。
常用漢字と人名用漢字を合計すると2,999字になります。漢字は全部で5万字以上あるため、名前に使える漢字は全体のごく一部です。
旧字体・異体字は名前に使える?
人名用漢字に含まれている旧字体・異体字のみ、名前に使用できます。
旧字体は、戦前まで使われていた昔の漢字の形です。新字体よりも画数が多く、複雑な形をしています。全ての旧字体が名前に使えるわけではありません。
「澤」「廣」「龍」「惠」などの旧字体は、人名用漢字として認められています。新字体の「沢」「広」「竜」「恵」と同じ意味ですが、旧字体を選ぶことも可能です。
異体字とは、同じ漢字でも書き方が複数ある文字のことです。「崎」と「﨑」、「高」と「髙」などが異体字にあたります。
旧字体と同様、人名用漢字表に載っている異体字なら使用できますが、載っていない異体字は使えません。見た目が似ていても、微妙な違いで使えないケースがあるため、注意が必要です。
創作漢字は名前に使える?
創作漢字は名前に使えません。人名用漢字表に載っている漢字のみ使用できます。
創作漢字とは、既存の漢字を組み合わせて新しく作った漢字です。自分で独自に考案した文字を指します。
戸籍法では、創作漢字の名前は認められていません。理由として、まず他人が読めない漢字では社会生活に支障が出るためです。学校や職場で名前を正しく呼んでもらえないと、本人が困ってしまいます。
また、コンピューターで入力できない可能性があります。現代社会では、名前をデータとして扱う場面が多く、システムに登録できない漢字では問題が起こるためです。
過去には、まれに創作漢字が認められたケースもありました。しかし、法律の運用が厳しくなってきて、平成以降は創作漢字が受理されることはほとんどありません。
【まとめ】名前に使えない漢字

名前に使える漢字は、常用漢字2,136字と人名用漢字863字の合計2,999字のみです。それ以外の漢字は、どんなに素敵な意味があっても使用できません。
「この漢字は使える?」と迷ったら、法務省の人名用漢字表を確認するか、市区町村の戸籍課に問い合わせましょう。出生届は生まれてから14日以内に提出する必要があるため、事前の確認が大切です。
もし使いたい漢字が使えなかった場合でも、諦める必要はありません。似た意味の漢字を探したり、同じ読み方をした別の漢字に変えたり、ひらがな表記にするなど、代替案はいくらでもあります。
大切なのは、漢字そのものではなく、お子さんへの愛情と願いです。法律の範囲内でも、素敵な名前は必ず見つかります。







